声優道

最終章

この世界は、人間が人間を使います。

うまい、ヘタもあるけれど、好みの人間を採用する事も多い。

だから寡黙な人、人付き合いが苦手なひとは向かないようですね。

じつは社交術も、役者として成功するひとつの要素。

だからといってプロデューサーやマネージャーに、

わざとらしいお世辞を言った覚えはありませんよ。

心の持ち方一つで変わってくるものがあるということです。

 それから我々の商売は、器材との関係も重要です。

相手は一生マイクですから、声優にならんとする人は、まず

録音器材を手に入れること。安いものでいいんです。

自分の声を繰り返し聞いて、耳をよくし、欠点なり長所なりを

発見するのです。

 我が家はもうスタジオ状態ですよ(笑)

一週間に一回は録音し、それを寝る前に聞く。車に乗ったら聞く。

自分の声に惚れているわけじゃない、

欠点を見出すために何度でも聞くのです。

 さて、みなさんの足を引っ張る人間がいるとしたら・・・?

それは親族です。養成所には通っているけれど、その努力が見えない。

つまり、家でトレーニングをしていない。すると「いつまでやっているんだ、

人並みな仕事につけ」と、なります。

 プロとは、生易しいものではありません。では、選ばれた人しか

プロになれないのかといったら、そうじゃない。

誰にでもチャンスはあります。そして常に、自分が役者であることを

自覚し精進すること。あなたが本当に演じることが好きなら

きっと遣り遂げることが出来るでしょう。

最後に一言。

「好きだからこそ努力もできる。我慢もできる。」


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