近年、声優を「職業」として興味を抱いている方々が大変多くなりました。
専門養成所・プロダクションの数もうなぎ登りです。
最近私がよく耳にする制作現場での声です。

「声優芝居で心がともなって無いね」
「口先芝居で底が浅いね、器用貧乏で引き出しが無い、だからダメ出しに対応できない」
「それっポイ芝居、らしい芝居(類型演技)なんだよね」
「技術優先であってもやはり役者であってほしいよね」


などなど。

スポーツ選手同様俳優にもトレーニングは必要不可欠なのです。
話芸に於ける七つの要素がトレーニング課題、つまり初心に帰る。
ひとりでも多くの人たちが集まり自己の演技と比較のできる耳を持つこと、
耳を鍛え良くすることです。

そして演じることがなによりも好きな人間になってほしい、
メーンキャストを演じられる俳優になってほしい。
演技者にはライセンスも免許もありません、私自身もいまだ修行中の身、
それでも私を望む人がある限りこれからも私は役者を続けていくでしょう。

修行を続けるか断念するかはあなた自身が決めることです。

真面目にやれば必ず報われる世界でもなければ、
好きだからと云って成功が約束される世界でもありません。
ただ、これだけは云えるでしょう。

「好きだからこそ我慢もできる、好きだからこそ努力もできる、自分で選んだ道だもの」

2007年2月8日 柴田秀勝